
今回一番の獲物はベランダ

我が家のベランダの屋根はポリカーボネートの波板なので凄く丈夫ですが、30年も経てば所々割れたり外れたりしています。ポリカーボネートと聞いて「はて?」となる方も[象が踏んでも壊れない筆箱]や[飛礫対策で信号機に使われている]と知れば「とにかく丈夫なんだな」とイメージ出来ると思います。
用意する道具と材料

- タコ糸
- 洋折釘
- ウッドビーズ
- 板ラチェット
- 錐のビット
ラチェットとビットは普通の錐でもOKですがあると便利です。電動ドリルみたいに何万円もしませんしネジ回しとしても優秀なのでドライバー感覚で一家に一本。因みに電動は必ずしも早くて楽ちんではなく…使い慣れていないと板材の穴あけ加工では失敗しやすいです。

ラチェットは機構のひとつですが簡単に言うと自転車です。普通の自転車は前に漕ぐ時だけ力が伝わりますよね?後ろに漕いでも空回りするだけで自転車はバックしません。ラチェットはこれと同じで時計回りか反時計回りを選んで決まった方向に回せる道具です。

作業工程

外れてプカプカになった波板を引っ張りたいので鋼材の近くに穴を開けます。別に何処に穴を開けても似た結果を導くことは出来るのですが、コンパクトに作業した方が簡単ですし材料の節約にもなります。

針に糸を通す時と同じで端末が広がっていると作業に支障を来します。縫い糸は舐めればOKですがタコ糸は糊で固めるか糸で縛るか一工夫しましょう。

解れたタコ糸の根元を縫い糸で真結びします。糊で固めたり舐めて整えたりしても構いませんが手間と機能のバランスを考えると真結びがベストな選択ではないかと思います。

縫い糸で縛った箇所を残すと解れないタコ糸になります。この後ウッドビーズの穴に通しますが仮に苦戦してもタコ糸の先は広がらないのでストレスなく作業を続けられます。





ウッドビーズは元々穴が開いているので指で回すだけで簡単にフックを仕込むことが出来ます。木片を用意して下穴を開ける方が材料費は抑えられますが、作業時間等トータルで考えるとビーズを用いるのが妥当です。


波板の穴にフックを通すだけなので細かい説明はしませんが、簡単に写真のような状態になります。後は適当にタコ糸を鋼材に巻き付ければプカプカ浮いたベランダの屋根の修繕は完了です。

巻き結びや棒結びと聞いて「はいはい」と分かる方にはコチラをオススメします。凄く簡単ですし緩くなった時に結び直すことも容易なので先々のメンテナンスも楽ちんです。

ロープワークとか分かんないからとりあえず結べれば何でも構わないという方にはタコ糸の撚りを解いて一本を二本に分け靴紐を結ぶように縛る方法をオススメします。小学生でも出来る結び方ですから「どうすればいい…?」と悩む必要はありません。
ハッカーを使ったワンランク上の仕事

ラチェットでアルミの鋼材に穴を開けプカプカ浮いた波板を番線で引っ張って固定しました。ハッカーは金物屋さんやホームセンターで買える道具で安ければ数百円ですから持っていて損はありません。

ハッカーはねじりとも呼ばれクルクル回して使う道具です。しかし実際のところ、番線や針金は引っ張りには強いが捻りには弱いという特性があって捻ってしまうと十分に締める前に金属疲労で切れてしまいます。

全てを書き記すことは出来ないので経験則から導き出せるくらいに実践して下さい。最初は下手でも「捻らず引っ張る」と意識して続けるだけでやがて自在にコントロール出来るようになります。
雨樋の修繕

ハッカーを使えるようになるとDIYの幅が広がります。何かを「固定したい」「締め付けたい」と思うほとんどの場面で有効なので是非マスターして下さい。

雨樋の途中に引っ掛かりが欲しくて番線で出っ張りを作りました。この場合は結束バンドを使う方が簡単ですが、一連の作業を番線で行っていたので流れでやりました。
まとめ
- 難しい技法や高価な道具は全く必要ない
- 簡単キレイ楽ちんに出来る方法を考える
- 安全面に気を配りながらとにかく楽しむ
ベランダ修繕編はちょっとだけ技術を要するので中学生以上を対象としましたが、手先が器用な子なら小学3年生くらいで十分出来る内容です。不安定な場所や高所での作業は大人がしっかりと監督し作業者の安全を確保して下さい。

今回は日曜大工的なベランダと雨樋の修繕を中学生でも出来るくらい簡単な方法で紹介します。