真似の一番の目的は追体験をすることです

レシピを見ながら料理するとか、尊敬する人の習慣を取り入れるなど成長を求める時に何かや誰かの真似をするのは自然なことです。時に「思ってたんと違う」となりますが、望んだ結果の代わりに得たものや置き去りにしていたことに気づくきっかけにはなると思います。今回は模写を例えに話を進めてみましょう。

描きたい写真や絵を適当に拡大コピーして升目を罫書きます。いかがですか?絵なんて描けないと思うあなたも小さな升のひとつくらいなら描けそうな気になりませんか?

真っ新な画面にも同じように升目を書きます。素材と画面の縦横比を揃えられない方は以下の計算をお試し下さい。実際の長さで計算すると分かりやすいです。

素材縦:素材横 = 画面縦:画面横

A:B = a:b とする

  • 画面縦を求めるなら a = A × b ÷ B
  • 画面横を求めるなら b = B × a ÷ A

升目をガイドにしてアタリ線が引けました。デッサン力のある人なら4分割でもいいし自由に表現したい人ならば升目なんてなくていいです。8分割でも自信のない人はいっそカーボン紙でなぞり書きしても構いません。

ここから彩色を施すと塗り絵のような仕上がりになります。今回は説明のために升目を残しましたがアタリをつけながら消すと後に響くことなく描き進められます。

僕は完成イメージがつかめなかったので最初に鉛筆を入れることにしました。トーンを入れるのはあくまでも手段のひとつなので何でもいいです。全体像が捉えられるのならば散歩に出かけるのもアリです。

アタリ線だけの時よりもイメージが明確になりました。いよいよ彩りを加えます。今回は思いつきでパステルを使います。

どうせ濃く描くと分かりきっている部分は怖がらず大胆に攻めましょう。鍋に5リットルお湯を沸かす時ちまちまカップで水を注ぐ人なんていませんよね。そんな感じでイケイケどんどん。

なんだか色々と台無しですが、はじめてのデッサン的な感じで楽しめば問題ありません。上手下手の垂直方向だけでなく水平方向にシフトできるきっかけのひとつにこのような躓きがあります。

路線は変わりましたが可能性のある画風になりました。汚くなってもはみ出してもいいのです。赤い薔薇を青く描くのも素敵なことです。そっくりに描けても追体験ができていなければ中身は空っぽなのですから。

よく「オマージュとパクリの境界線は?」みたいな話がありますが、楽して同じ結果を得たいという動機があればパクリだと思います。丁寧な思考のトレースで再構築されたものは不出来でもオマージュと呼べるでしょう。実力をつけたいなら追体験をお忘れなく。

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