珈琲のネルドリップを試すならついでに煮洗いを覚えましょう

どうも、OSJRです!

今回は珈琲のネルフィルターとハンドタオルを使って煮洗いの全体像を捉えるエントリーです。

ネルドリップに興味がある方、タオルや布巾が臭って困っている方は是非この記事を読んで試していただければ幸いです。

煮洗いとは?

読んで字の如し「煮て洗う」ことです。多くは皮脂や油汚れを中和する目的で重曹を溶かしたアルカリ性の水溶液が使われます。しかし何も加えずお湯で煮るだけでも汚れや臭いを落とす効果がありますので、ネルフィルターで重曹を使う場面は少ないでしょう。管理を怠って「生地は平気だけど臭いが取れないな…捨てるか」な時にダメ元でやるくらいだと思います。

ネルフィルターを煮る

ネルドリップに興味がある方が躓くポイントとして[新品のネルは煮てから使う]があると思います。実際にやると簡単ですがイメージ的に面倒臭そうなので敬遠されてしまうようです。

ネルって何?

起毛が施された綿の布です。「フランネル」や「ネルシャツ」と聞いてピンと来る方も多いのではないでしょうか。

両面起毛のフランネル

どうして煮てから使うのか?

そのまま使うと水を弾くからです。臭いが落ちるという側面もありますが主目的は糊の除去です。ネルに限らず毛羽立った糸で布を織る時には糊付けして強度を上げ滑りを良くします。織布工程で頻繁に糸が切れて機械が止まったら仕事になりませんよね?品質と価格に折り合いをつけるべく使い勝手より作り勝手が先ずは優先されているということです。

新品のタオルが全くと言っていいくらい水を吸わないのも糸に糊が残っているからです。糊を落としてから出荷するタオルもありますがやはりそれ相応の値段がします。

どれくらい水を弾く?

撥水加工が施された雨傘と同じくらい水を弾きます。毛羽立ちが糊で抑えられていると毛細管現象のきっかけが得られず浸透しないのだと考えられます。界面活性剤を加えた水であれば染みるとは思いますが臭いが気になるので今回は理屈のみとします。

水を注いで5分経過したネルフィルター
溜めた水を捨てたネルフィルター

何分待っても全く水を通しません。リングを通す縁の部分は布の種類が違うので水を吸いますが、本体は水に触れた形跡さえ残さず完全に乾いた状態を保っています。

5分ずつ3回煮る

時間と回数に決まりはありませんが、私はこの5分3回を目安に新品のネルフィルターを煮ています。

ネルフィルターの煮洗い
1回目
ネルフィルターの煮洗い
2回目
ネルフィルターの煮洗い
3回目

都度お湯を変えているので泡の立ち方が違うのが分かると思います。3回目となるともうほとんどお湯だけを沸かした状態と変わりありません。つまり糊の除去が完了したと見做してOKです。因みに経過を載せると…

1分後
3分後

みたいな感じです。トングや菜箸でネルを沈めることはせず自然に染みるのを待つスタイルで洗っています。私は2回目はひっくり返し3回目は生地を裏返して段階的に作業を進めますが、好みで変えたりアレンジしても大勢には影響ないと思います。

ネルフィルターとリング
袋詰めのネルフィルター

煮洗いが終わったらリングを通して完了です。今回はまだ使えるフィルターがあるので予備としてビニール袋に入れて冷凍します。この仕込みがあれば好きな時に新しいネルで直ぐに珈琲を点てることが出来ます。

おまけ

ネルフィルターにリングを通す様子を載せておきます。フィルターの端を引っ張って通そうとすると途中で限界が来ますが、リングの端末からネルを押すように送ってやると簡単に一周回りますので苦手な方はそこを意識して試して下さい。骨を掴むと10秒くらいで出来るようになります。

リングの端をフィルターの端から入れます
半分くらいまでは引っ張って通せます
残り半分は押し出すイメージで通して下さい
ネルドリップのアイキャッチ

ネルドリップから学ぶ作法の重要性と千日万日の精髄

ハンドタオルを煮る

綺麗に使っているハンドタオルですが、煮洗いでどれくらい変わるか試してみます。洗剤や柔軟剤の香料、体臭等を特に感じない状態からスタートします。

アルカリ性の水溶液を沸かす

500ccのお湯に大さじ半分の重曹を溶かします。熱湯に重曹をボトンと入れると突沸を起こして吹きこぼれる可能性がありますので、沸く前段階で火を消してから溶かして下さい。

吹きこぼれないように煮る

洗う物を鍋に入れる時もお湯に重曹を溶かす時と同様にコンロの火を消して下さい。火を点けたまま投入すると驚くほど泡立ちます。慌てて事故って火傷したりすると大変ですから落ち着いて作業出来るように段取りはしっかりとお願いします。

スミマセン…適当な白い容器が見当たらなくてコップを使いました。今回は目に見えるほど汚れが落ちたとはならずタオルの染料が抜けただけになりましたが、一見清潔に見える白シャツを煮ると意外と汚れていることが分かりますのでやってみて下さい。

濯いで絞って乾かす

乾くまで断言出来ませんが「食べても平気そうな匂い」に変わりました。煮洗いする前も特に臭いはありませんでしたが、口に入れてガムみたいに噛めるかと言うと「それは嫌だ」な感じでした。

それが煮洗いの後では胸いっぱいに吸い込んでも果てしなく自然な匂いしかしません。除菌と消臭なら次亜塩素酸系の漂白剤でも出来ますが独特の嫌な臭いは残ります。一方、煮洗いではその類の臭いがありませんので心底安らげる仕上がりになります。

仕上がり

柔軟剤を使わないのでややゴワゴワした感じで乾きますが、ガサガサではありませんしとにかく匂いが最高です。まるで赤ちゃんの匂いのようにずっと嗅いでいられる匂いです。

まとめ

煮洗いが有効な物

  • 布巾・ガーゼ
  • タオル
  • 白シャツ

注意
化繊の衣類等、熱に弱い物を煮洗いすることはオススメしません。綿100%の衣類であっても物によっては着られなくなるくらい縮みます。多少縮んでも影響のない物や縮まないことが確認済みの物を扱うようにして下さい。

いかがでしたか?煮洗い自体は18世紀頃には確立されていたようですし、もっと古くから行われていても不思議ではない洗い方です。

便利な世の中を利用しつつプリミティブな営みを嗜むのも豊かな人生ではないでしょうか。今回は以上です、お相手はOSJRでした。

ネルドリップのアイキャッチ

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